2025.05.25 2025.05.25

離婚と住まいの問題~家のローンが残っている場合の対処法~

離婚を考えている、または離婚が決まった方にとって、住まいの問題は避けて通れない大きな課題ですよね。

特に住宅ローンが残っている場合、

「誰が払い続けるの?」
「連帯保証人はどうなるの?」
「子供の学校もあるし、このまま住み続けたいけど…」

といった不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

実は、宮崎でも離婚に伴う住宅ローン問題の相談が年々増えています。

でも安心してください。

しっかりとした知識と準備があれば、必ず解決の道は見つかります。

今回は、岩澤法律事務所への相談事例も踏まえながら、離婚時の住宅ローン問題について、分かりやすく解説していきましょう。

離婚前に必ず確認すべき4つのポイント

住宅ローンの契約内容をチェックしよう

まずは金融機関から送られてくる「返済予定表」を確認しましょう。

残債がいくらあるのか、誰が主債務者で誰が連帯保証人なのか、これらの基本情報は話し合いの大前提となります。

宮崎の地方銀行では、夫婦での収入合算やペアローンも増えているので、契約形態をしっかり把握することが大切です。

確認すべき項目

  • 住宅ローンの残債額
  • 主債務者と連帯保証人の関係
  • 月々の返済額と完済予定時期
  • 金利タイプ(固定・変動)

不動産の名義と現在の価値を調べる

法務局で登記簿謄本を取得し、不動産の名義を確認します。

同時に、複数の不動産会社に査定を依頼して現在の市場価値を把握しましょう。

宮崎市内でも地域によって不動産価格に差があるため、最低でも3社以上の査定を取ることをおすすめします。

アンダーローンかオーバーローンかを判断

査定額と住宅ローン残債を比較して、売却すればローンを完済できる「アンダーローン」なのか、売却してもローンが残る「オーバーローン」なのかを確認。

この判断が、その後の対処法を大きく左右します。

判断の目安

状況査定額ローン残債対処の難易度
アンダーローン2,000万円1,500万円比較的容易
オーバーローン1,500万円2,000万円慎重な検討が必要

離婚後の生活設計を具体的に描く

誰がどこに住むのか、子供の学校はどうするのか、仕事への通勤は問題ないか。

特に宮崎では公共交通機関が限られるため、車での移動を前提とした生活設計が必要です。

感情的になりがちな時期だからこそ、冷静に将来を見据えることが大切です。

ケース別!住宅ローンが残っている家の対処法

【ケース1】名義人がそのまま住み続ける場合

最もシンプルなパターンです。

例えば夫名義の家に夫が住み続け、妻が実家に戻るような場合。

ただし、妻が連帯保証人になっている場合は要注意!

離婚しても連帯保証人の責任は残るため、必ず金融機関に相談して変更手続きを検討しましょう。

メリット

  • 手続きが比較的簡単
  • 子供の生活環境を変えずに済む可能性
  • 金融機関との交渉が最小限

デメリット

  • 連帯保証人の責任が残る
  • 将来的なトラブルのリスク

【ケース2】名義人でない方が住み続ける場合

子供の学校や仕事の関係で、妻と子供が今の家に住み続けたいというケースは多いですよね。

この場合、以下の選択肢があります。

  1. 夫が養育費代わりにローンを払い続ける
  2. 妻への名義変更を試みる
  3. リースバックを活用する

それぞれのメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。

1. 養育費代わりの支払い

  • メリット:すぐに実行可能
  • デメリット:支払いが滞るリスクが高い

2. 名義変更

  • メリット:権利関係が明確
  • デメリット:妻の収入審査が必要

3. リースバック

  • メリット:売却後も住み続けられる
  • デメリット:家賃の支払いが発生

【ケース3】売却して清算する場合

アンダーローンなら売却金でローンを完済し、残ったお金を財産分与。

でもオーバーローンの場合は?

実は「任意売却」という方法があるんです。

競売よりも有利な条件で売却でき、残債の返済計画も相談できます。

宮崎でも任意売却の実績がある不動産会社が増えているので、諦めずに相談してみましょう。

離婚時の住宅ローン対処法3つのケース

連帯保証人問題の解決方法

なぜ離婚しても連帯保証人から外れられないの?

「離婚したから関係ない」と思いたいところですが、残念ながら金融機関との契約は別問題。

連帯保証人の責任は、ローンが完済されるまで続きます。

でも諦めないで!解決策はあります。

連帯保証人から外れる3つの方法

1. 代わりの連帯保証人を立てる

親族など収入が安定している人に交代してもらう方法です。

ただし、引き受けてくれる人を見つけるのは現実的に難しいケースが多いです。

2. 住宅ローンの借り換えをする

単独でローンを組み直すことで、連帯保証人を外す方法です。

収入要件をクリアできれば、最も確実な解決策となります。

3. 売却してローンを清算する

最も根本的な解決方法です。

アンダーローンなら問題ありませんが、オーバーローンの場合は任意売却を検討しましょう。

宮崎の金融機関での対応事例

地元の宮崎銀行や宮崎太陽銀行では、離婚に伴う相談窓口を設けているところも。

実際に連帯保証人の変更や借り換えに成功した事例もあります。

諦めずに、まずは取引先の金融機関に相談してみましょう。

相談時に準備すべき書類

  • 離婚協議書(または公正証書)
  • 収入証明書
  • 返済計画書
  • 身分証明書

オーバーローンでも諦めない!3つの解決策

任意売却という選択肢

オーバーローンでも売却できる方法が「任意売却」。

金融機関の同意を得て、市場価格に近い金額で売却できます。

競売と違って、引っ越し時期も相談でき、プライバシーも守られます。

宮崎でも任意売却を専門に扱う不動産会社があるので、早めの相談がカギです。

任意売却のメリット

  • 市場価格に近い金額で売却可能
  • 引っ越し時期の相談ができる
  • 残債の返済計画も柔軟に対応
  • 近所に知られずに売却できる

リースバックで住み続ける方法

「売却後も今の家に住み続けたい」という願いを叶えるのがリースバック。

家を売却して現金化し、その後は賃貸として住み続ける仕組みです。

子供の学校を変えずに済むので、宮崎でも利用者が増えています。

ただし、家賃の支払い能力は必要なので、しっかりと計画を立てましょう。

リースバック利用の流れ

  1. 不動産会社に査定依頼
  2. 売却価格と家賃の条件確認
  3. 売買契約と賃貸借契約を締結
  4. 売却代金でローンを返済
  5. 賃貸として居住継続

自己資金や親族の援助を活用

オーバーローンの差額を埋められれば、通常の売却が可能に。

親族からの援助や、銀行のフリーローンを活用する方法も。

恥ずかしがらずに、使える手段は全て検討してみることが大切です。

トラブルを避けるための注意点

離婚協議書は必ず作成しよう

口約束は後々のトラブルの元。

誰がローンを払うのか、連帯保証人はどうするのか、全て文書に残しましょう。

できれば公正証書にすることで、法的な効力も高まります。

宮崎の公証役場でも相談に乗ってくれますよ。

離婚協議書に記載すべき項目

  • 住宅ローンの支払い責任者
  • 連帯保証人の扱い
  • 売却時の手続き方法
  • 財産分与の詳細
  • トラブル時の対処法

金融機関への報告を忘れずに

離婚したことを金融機関に報告する義務があります。

黙っていると契約違反で一括返済を求められることも。

正直に事情を説明すれば、返済計画の見直しなど相談に乗ってくれる場合があります。

感情的にならず、冷静な判断を

離婚は精神的にも辛い時期。

でも、住宅ローン問題は今後の生活に大きく影響します。

一時の感情で判断せず、専門家のアドバイスも聞きながら、最善の選択をしていきましょう。

相談できる専門家

  • 弁護士(離婚問題全般)
  • 司法書士(登記関係)
  • 不動産会社(売却・任意売却)
  • ファイナンシャルプランナー(資金計画)

よくある質問(FAQ)

Q: 離婚したら自動的に連帯保証人から外れると思っていました。本当に外れられないんですか?

A: 残念ながら、離婚と金融機関との契約は別問題なんです。

でも、代わりの連帯保証人を立てたり、ローンの借り換えをしたりすることで解決できる場合があります。

まずは金融機関に相談してみましょう。

宮崎の地方銀行では、離婚という事情を考慮して柔軟に対応してくれることもありますよ。

Q: 子供の学校があるので、今の家に住み続けたいのですが、夫名義の家です。どうすればいいですか?

A: いくつかの選択肢があります。

  1. 夫が養育費代わりにローンを払い続ける(ただし支払いが滞るリスクあり)
  2. あなたへの名義変更を試みる(収入など条件あり)
  3. リースバックを活用する

宮崎では子供の教育環境を重視する方が多いので、同じような相談をよく受けます。

それぞれのメリット・デメリットを比較して、最適な方法を選びましょう。

Q: オーバーローンで売却もできません。このまま住宅ローンを払い続けるしかないのでしょうか?

A: 諦めないでください!

任意売却という方法があります。

金融機関の同意を得て、オーバーローンでも売却できる仕組みです。

残った債務も、無理のない返済計画を相談できます。

宮崎でも任意売却の実績がある不動産会社がありますので、まずは相談してみることをおすすめします。

Q: 離婚の話し合いがまとまりません。住宅ローンの問題はいつ解決すべきですか?

A: できれば離婚前に解決しておくのがベストです。

離婚後は連絡を取るのも難しくなりますし、手続きも複雑になります。

話し合いが難しい場合は、弁護士や司法書士などの専門家に間に入ってもらうのも一つの方法です。

岩澤法律事務所でも、離婚に伴う住宅ローン問題の相談を受け付けています。

Q: ペアローンを組んでいます。離婚したらどうなりますか?

A: ペアローンは夫婦それぞれが債務者となり、お互いが連帯保証人になっているケースが多いです。

離婚してもこの関係は続くため、どちらかの単独ローンに借り換えるか、売却して清算するのが一般的です。

ただし、単独での借り換えは収入要件が厳しいので、早めに金融機関に相談しましょう。

Q: 宮崎で任意売却を相談できる窓口はありますか?

A: はい、あります。

宮崎県内にも任意売却を専門に扱う不動産会社や、住宅ローン問題の相談窓口があります。

また、法テラス宮崎でも無料相談を受け付けています。

一人で悩まず、まずは専門家に相談することが解決への第一歩です。

Q: 財産分与で住宅ローンも半分ずつ負担することになるのですか?

A: いいえ、違います。

住宅ローンは「マイナスの財産」なので、基本的に財産分与の対象にはなりません。

ローンの支払い義務は、あくまでも契約上の名義人にあります。

ただし、離婚協議の中で、養育費や慰謝料の代わりにローンを払うといった取り決めをすることは可能です。

Q: 住宅ローンの滞納が始まってしまいました。どうすればいいですか?

A: すぐに金融機関に相談してください!

滞納が長期化すると競売になってしまいます。

返済計画の見直し(リスケジュール)や、任意売却など、まだ選択肢はあります。

恥ずかしがらずに、正直に事情を説明することが大切です。

宮崎の金融機関も、誠実に相談すれば必ず対応してくれます。

まとめ

離婚時の住宅ローン問題は、確かに複雑で頭が痛くなりますよね。

でも、この記事で紹介したように、必ず解決策はあります。

大切なのは、以下の3つのポイントです。

  1. 現状を正確に把握すること
  2. 感情的にならず冷静に判断すること
  3. 一人で抱え込まず専門家に相談すること

宮崎でも、離婚に伴う住宅ローン問題に詳しい弁護士や不動産会社が増えています。

子供のため、そして自分自身の新しいスタートのためにも、勇気を出して一歩踏み出してみましょう。

岩澤法律事務所でも、皆さまの相談をお待ちしています。

きっと、あなたに合った解決策が見つかるはずです。

このコラムの監修者

岩澤 千洋弁護士

岩澤法律事務所

岩澤 千洋弁護士宮崎県弁護士会所属

日々の生活で生じる悩みの多くは法的な問題に分析することができ、何かしらの法的な解決(目的地)を見つけることができます。まずは、お気軽にご相談ください。どのような問題であれ、何事も依頼者の方の立場利益を第一に考えて、できる限り依頼者の方の利益にかなう解決(目的地)に向けて最善の努力をいたします。

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