2025.02.27 2025.02.27
迷ったら必見!不貞行為の証拠の有効性とNG行為【注意点まとめ】

気になる方も多いと思いますが、実は不貞行為の疑いがある場面では「証拠の有効性」が大きく結果を左右します。
不十分な証拠では慰謝料請求などに影響が出る可能性が高く、逆に違法な方法で証拠を集めてしまうと相手からの反訴やプライバシー侵害が問題となるケースも。
「一体、何が正しいの?」と、頭を抱えてしまいますよね。
本記事では、不貞行為にまつわる証拠の有効性や収集時のNG行為、そして知っておきたい注意点をわかりやすく解説します。
難しく聞こえるかもしれませんが、大丈夫。
一つずつ、丁寧に見ていきましょう。
法的手続きに進む前に、まずはどのような証拠が有効で、どの点に気を付けるべきかを押さえておきましょう。
この記事が、あなたの「モヤモヤ」を少しでも解消する手助けになれば嬉しいです。
さあ、一緒に確認していきましょう!
不貞行為とは?まずは基礎知識を押さえよう
不貞行為の定義と法的影響
まずは、「不貞行為」とは一体何を指すのか、基本的なところから確認していきましょう。
法律の世界で「不貞行為」とは、一般的に配偶者のある人が、配偶者以外の相手と自由な意思で肉体関係を持つことを指します。
「え?それだけ?」と思われるかもしれませんが、実はこの定義、非常に重要なんです。
なぜなら、この「不貞行為」は、離婚や慰謝料請求といった、人生を大きく左右する事柄に直結するから。
例えば、あなたが配偶者の不貞行為によって精神的な苦痛を受けた場合、その相手や配偶者に対して慰謝料を請求する権利が発生します。
また、離婚を求める正当な理由にもなり得るんです。
裁判例を見てみても、不貞行為の有無やその程度が、慰謝料の金額や離婚の可否を左右する大きな判断基準になっているのがわかります。
「じゃあ、どこからが不貞行為なの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
例えば、単なるメールのやり取りや、食事に行っただけで不貞行為と判断されるわけではありません。
あくまで肉体関係の有無が、重要なポイントとなることを押さえておきましょう。
不貞行為の疑いがあるときに必要なこと
もし、あなたの身に「もしかして、不貞行為かも?」という疑いが生じたとき。
その時、まず何をすべきでしょうか?
「すぐにでも問い詰めたい!」という気持ちになるかもしれませんが、ちょっと待ってください。
まずは、冷静になることが大切です。
焦って行動する前に、いくつか選択肢があることを知っておきましょう。
例えば、慰謝料請求をしたいのか、離婚を考えているのか、それとも夫婦関係を修復したいのか。
それによって、取るべき行動は変わってきます。
不安を抱えたまま行動するのではなく、まずは情報収集から始めてみましょう。
信頼できる人に相談したり、専門家(弁護士など)に話を聞いてもらうのも有効です。
弁護士に相談することで、今後の見通しや、具体的な証拠集めの方法についてアドバイスをもらうことができます。
ちなみに、証拠集めの基本的な流れは、
- 証拠になりそうなものを集める
- 集めた証拠を整理する
- 必要に応じて専門家に相談する
といった流れになります。
まずはこの流れを頭に入れておくと、いざという時にも落ち着いて対応できるはずです。
証拠の有効性を左右するポイント
有効な証拠の具体例
さて、ここからは、いよいよ本題です。
不貞行為の証拠として、どのようなものが有効なのでしょうか?
まずは、法的に立証力が高いとされる証拠の具体例を見ていきましょう。
証拠の種類 | 具体例 |
---|---|
写真・動画 | ラブホテルに出入りする写真や動画、不貞行為を直接的に示す動画など |
LINE・メール | 不貞行為を認める内容のやり取り、親密な関係を示すメッセージなど |
ホテルや交通機関の利用明細 | ホテルや新幹線などの利用明細で、不貞相手との行動が推測できるもの |
SNSの投稿 | 不貞行為を匂わせる投稿、2人で旅行に行ったことを示す写真など |
探偵の報告書 | 調査会社が作成した報告書。客観的な証拠として有効 |
その他 | カーナビの記録、クレジットカードの利用明細、第三者の証言など |
これらの証拠の中で、特に重要なのは「客観的に特定できる情報」が含まれているかどうかです。
例えば、写真であれば、日付や場所がわかるように撮影されている必要がありますし、LINEのやり取りであれば、相手の名前やIDがわかるように保存しておく必要があります。
また、「いつ、どこで、誰が、何をしたのか」が明確になっていることが、証拠としての価値を高める上で重要です。
証拠を整理する際には、時系列ごとにまとめるのがおすすめです。
例えば、以下のように整理すると、後で証拠として提示する際に、非常に分かりやすくなります。
- 〇月〇日:〇〇ホテルに2人で宿泊
- 〇月〇日のLINE:親密なやり取り
- 〇月〇日:〇〇と旅行に行ったことをSNSに投稿
このように整理することで、証拠の信憑性が増し、法的な手続きをスムーズに進めることができます。
証拠として認められにくいケース
では逆に、どのような証拠が認められにくいのでしょうか?
残念ながら、証拠として提出しても、あまり効果がないケースも存在します。
「これ、使えるかな?」と迷ったら、以下のケースに当てはまらないか確認してみましょう。
曖昧な内容の証拠
例えば、「もしかして、〇〇さんと何かあったのかな?」といった推測だけの証拠は、不十分と判断される可能性が高いです。
また、第三者の証言のみでは、証拠としての立証力が弱い場合があります。
信憑性に欠ける証拠
例えば、LINEのやり取りの一部だけを切り取って提示した場合、前後の文脈が分からず、不貞行為の証拠として認められないことがあります。
また、加工された写真や動画も、証拠としての信頼性が損なわれるため注意が必要です。
不貞行為と直接関係ない証拠
例えば、単なる友達とのメッセージや、個人的な趣味の写真は、不貞行為を立証する証拠としては認められにくいです。
あくまで、不貞行為があったことを客観的に証明できる証拠が必要であることを覚えておきましょう。
せっかく集めた証拠も、認められなければ意味がありません。
次の章では、証拠収集の際に「絶対にやってはいけないこと」について詳しく解説します。
証拠収集におけるNG行為
違法または過剰な手段のリスク
「真実を知りたい」という気持ちは、痛いほどよく分かります。
しかし、その気持ちが先行して、違法な手段で証拠を集めてしまうと、大変なことになりかねません。
ここでは、証拠収集の際に「絶対にやってはいけないこと」をしっかり押さえておきましょう。
まず、絶対にNGなのが、相手のスマホやパソコンを勝手に操作してデータを盗み見る行為です。
これは、不正アクセス禁止法に触れる可能性があり、場合によっては刑事罰の対象にもなりかねません。
また、盗聴や盗撮も、プライバシー侵害として、損害賠償請求をされるリスクがあります。
例えば、以下のような行為は絶対に避けてください。
- 無断で他人のスマホやパソコンにアクセスする
- 隠しカメラや盗聴器を設置して撮影・録音する
- GPSを使って相手の位置情報を無断で取得する
これらの行為は、たとえ不貞行為の証拠を得られたとしても、法的に無効となるだけでなく、あなた自身が訴えられる可能性もあるため、絶対にやめましょう。
プライバシー侵害とトラブル防止のコツ
「どうしても証拠を集めたい」という気持ちから、張り込みや尾行を検討する方もいるかもしれません。
しかし、張り込みや尾行も、やり方を間違えると、プライバシー侵害やストーカー行為とみなされる可能性があります。
特に、以下のような行為は注意が必要です。
- 相手の自宅や職場に頻繁に立ち入る
- 執拗に尾行を繰り返す
- 相手の行動を監視する
- 相手やその家族に精神的な苦痛を与える
これらの行為は、相手に恐怖心を与え、トラブルに発展する可能性があります。
また、不貞行為の証拠を得るために、第三者を巻き込むような行為も避けるべきです。
例えば、友人や知人に無理やり尾行をさせたり、探偵に違法な調査を依頼したりするのは絶対にやめましょう。
このような行為は、あなた自身の信用を失うだけでなく、法的責任を問われる可能性もあります。
では、どうすればトラブルを避けながら証拠を集められるのでしょうか?
一番のポイントは、「冷静になること」です。
感情的になって行動するのではなく、まずは専門家(弁護士など)に相談し、法的に問題のない方法で証拠を集めるようにしましょう。
証拠の有効性を高めるための注意点
弁護士への相談とプロの活用
ここまでは、証拠収集におけるNG行為について解説しましたが、ここからは、集めた証拠をより有効にするための具体的な方法について見ていきましょう。
まず、一番におすすめしたいのが、弁護士への相談です。
「え、弁護士さん?まだそこまで考えてないんだけど…」と思う方もいるかもしれません。
しかし、弁護士に相談することで、あなたの集めた証拠が法的に有効かどうか、適切なアドバイスをもらうことができるんです。
例えば、
- どのような証拠が不貞行為の立証に役立つのか
- どのように証拠を整理・保管すれば良いか
- 今後の法的手続きでどのような点に注意すべきか
など、具体的なアドバイスをもらえます。
また、弁護士に相談することで、精神的な負担を軽減できるというメリットもあります。
不貞行為の疑いがある状況は、誰にとっても辛く、ストレスの多いものです。
弁護士に相談することで、一人で抱え込まずに、客観的な視点から解決策を検討することができます。
また、自分で証拠を集めるのが難しい場合は、探偵事務所などのプロの力を借りるのも一つの選択肢です。
探偵事務所は、専門的な知識と技術を持っており、法的に有効な証拠を効率的に集めることができます。
ただし、探偵事務所を選ぶ際には、以下の点に注意しましょう。
- 実績や評判をしっかり確認する
- 料金体系が明確であるか確認する
- 違法な調査を行っていないか確認する
探偵事務所によっては、違法な調査を行ったり、高額な料金を請求したりするケースもあるため、慎重に選ぶようにしましょう。
証拠管理・提示の方法
せっかく集めた証拠も、管理方法や提示方法を間違えると、その有効性が損なわれてしまうことがあります。
ここでは、証拠を適切に管理し、法的手続きでスムーズに提示するためのポイントを解説します。
まず、写真やメールの原本を確保しておくことが大切です。
コピーやスクリーンショットだけでは、証拠としての信頼性が低くなる可能性があります。
また、日付や送信元、送信先などの情報をきちんと保管しておくことも重要です。
これらの情報は、証拠の信憑性を高める上で、非常に重要な要素となります。
証拠を整理する際には、時系列ごとにまとめるのがおすすめです。
例えば、以下のように整理しておくと、後で証拠として提示する際に、非常に分かりやすくなります。
日付 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
2024年5月1日 | 〇〇ホテルに宿泊 | 写真あり |
2024年5月3日 | LINEでの親密なやり取り | スクリーンショットあり |
2024年5月5日 | △△旅行へ | クレジットカードの利用明細あり |
このように整理しておくことで、裁判所や弁護士に証拠を提示する際に、スムーズに進めることができます。
また、法的手続きで証拠を提出する際には、決められたフォーマットに従う必要があります。
そのため、事前に弁護士に相談し、適切な方法で証拠を提出するようにしましょう。
慰謝料請求の流れと事前準備
慰謝料請求が認められる条件
さて、ここまで証拠集めやその注意点について解説してきましたが、いよいよ慰謝料請求について具体的に見ていきましょう。
「不貞行為があったから、必ず慰謝料を請求できる!」というわけではありません。
慰謝料請求が認められるためには、いくつかの条件を満たす必要があります。
まず、大前提として「不貞行為があった」という事実を客観的に証明できる証拠が必要です。
これまでの章で解説したように、写真や動画、LINEのやり取りなどが有効な証拠となります。
ただし、これらの証拠があるだけでは、必ずしも慰謝料請求が認められるとは限りません。
慰謝料の金額を決める際には、不貞行為に至る経緯や期間、相手の悪質性などが考慮されます。
例えば、
- 不貞行為が始まったきっかけ
- 不貞行為が継続した期間
- 相手が不貞行為を反省しているかどうか
- 不貞行為によって受けた精神的苦痛の程度
などが、具体的な判断基準となります。
また、慰謝料請求は、不貞行為をした相手(不倫相手)だけでなく、配偶者にも請求できる場合があります。
例えば、配偶者が不貞行為を黙認していたり、積極的に関与していた場合には、配偶者にも慰謝料を請求することが可能です。
ただし、誰に慰謝料を請求するかによって、手続きや注意点が異なるため、弁護士に相談して適切なアドバイスをもらうようにしましょう。
慰謝料の相場については、不貞行為の内容や期間、当事者の状況によって大きく異なりますが、一般的には数十万円から数百万円程度と言われています。
ただし、これはあくまで目安であり、個々のケースによって金額は大きく変動します。
そのため、請求金額を決める際には、弁護士に相談して、具体的な相場や請求できる金額についてアドバイスをもらうようにしましょう。
スムーズに進めるための準備事項
慰謝料請求をスムーズに進めるためには、事前の準備が非常に重要です。
ここでは、具体的な準備事項を3つのポイントに分けて解説します。
1. 証拠の整理とリスト化
まずは、証拠を整理し、時系列ごとにまとめることから始めましょう。
これまでの章で解説したように、日付や場所、相手の名前などを明記し、分かりやすく整理することが大切です。
また、証拠リストを作成し、どのような証拠を、いつ、どこで入手したのかを記録しておくと、後々スムーズに手続きを進めることができます。
2. 弁護士への相談と落としどころの検討
次に、弁護士に相談しながら、今後の落としどころを探りましょう。
弁護士に相談することで、法的な観点から、最適な解決策を検討することができます。
また、裁判手続きに進む場合のリスクや費用についても、事前に把握しておくことが大切です。
裁判手続きは、時間も費用もかかるため、弁護士と相談しながら、慎重に検討するようにしましょう。
3. 時効と手続きの確認
慰謝料請求には、期限(時効)があります。
不貞行為があったことを知ってから3年、または不貞行為があった時から20年で時効を迎えます。
そのため、慰謝料請求を検討しているのであれば、早めに弁護士に相談し、手続きを進めるようにしましょう。
また、相手との話し合いや和解交渉も、弁護士に依頼することでスムーズに進めることができます。
弁護士は、交渉の専門家として、あなたの代わりに相手と交渉し、有利な条件で和解できるようサポートしてくれます。
まとめ
不貞行為の疑いが生じたとき、証拠をどのように集めるかで結果は大きく変わります。
合法かつ信頼性の高い形で証拠を押さえることは、慰謝料請求や離婚などの手続きにおいて極めて重要です。
一方で、違法または過剰な手段による証拠収集は、トラブルを招きかねません。
この記事では、不貞行為の証拠の有効性や、集める際の注意点について解説しました。
改めて、重要なポイントを振り返ってみましょう。
- 不貞行為とは、配偶者のある人が、配偶者以外の相手と肉体関係を持つこと
- 写真、動画、LINEのやり取りなど、客観的に不貞行為を証明できる証拠が重要
- 違法な手段で証拠を集めると、逆に訴えられるリスクがある
- 弁護士に相談し、適切なアドバイスを受けながら手続きを進めるのが安心
不安を抱える方は、まずは事実関係を整理すると同時に、弁護士など専門家から法的に有効なアドバイスを得ることが近道です。
この記事を参考に、冷静かつ確実な証拠収集を心がけましょう。
そして、必要に応じて専門家へ気軽に相談することで、今後の方針をより明確にしてみてください。
この記事が、あなたの抱える不安を少しでも解消し、前向きな一歩を踏み出すきっかけになれば嬉しいです。
「一人で悩まず、まずは相談」
この言葉を胸に、ぜひ行動してみてください。
このコラムの監修者

岩澤法律事務所
岩澤 千洋弁護士宮崎県弁護士会所属
日々の生活で生じる悩みの多くは法的な問題に分析することができ、何かしらの法的な解決(目的地)を見つけることができます。まずは、お気軽にご相談ください。どのような問題であれ、何事も依頼者の方の立場利益を第一に考えて、できる限り依頼者の方の利益にかなう解決(目的地)に向けて最善の努力をいたします。